
はじめに:パパが出産に立ち会う意味とは?
出産は「ママが頑張るもの」というイメージを持つ方もまだまだ多いですが、実際に立ち会ってみると パパの存在がどれほど大きいか を痛感します。
私はこれまでに2度、妻の出産に立ち会いました。
1人目と2人目ではサポート体制や環境が大きく違い、その違いが妻や私自身にどれほど影響を与えたかをはっきりと実感しました。
この記事では、実体験をベースに
- パパが立ち会う際の心構え
- 準備すべき持ち物
- 立ち会って感じたリアルな学び
をお伝えします。
これから立ち会うパパにとって、少しでも役立てば幸いです。
1人目の出産立ち会い:孤独なサポートの現実
長男の出産に立ち会ったとき、病院は助産師さん1人だけが対応しており、出産直前まで基本的に妻と私の二人きりでした。
助産師さんが分娩室にいない時間も長く、サポートできるのは知識ゼロのパパである自分だけ。
私ができたのは、
- テニスボールで腰を押す
- うちわで汗をあおぐ
- 「大丈夫」「どこが痛い?」「何がしてほしい?」と声をかける
といった単純なこと。
正直に言うと「これで本当に支えになれているのか?」という不安が常につきまとい、体力的にも精神的にも消耗しました。
結果として、分娩が長時間に及び、私自身もクタクタ。出産の瞬間は感動というより「やっと終わった…」という気持ちの方が強く、涙を流す余裕すらありませんでした。
2人目の出産立ち会い:学生サポートに救われた経験
2人目の出産時、病院から「福祉大学の実習生が出産サポートをしてくれます。希望しますか?」というような内容の用紙を渡されました。私たちは、実習生ということもあり少々不安だったものの、了承にチェックを入れました。
すると実習生(4年生)と指導の先生が付き添ってくださり、陣痛で入院してから積極的にサポートしてくれました。
- 陣痛が進まないときは「足湯とマッサージをしましょう」と提案
- 妊婦用の椅子をすすめて体をさすってくれる
- 常に冷静な声掛けで妻を気遣ってくれる
この支えは本当に大きく、体力的にも精神的にも救われたのです。
しかも驚いたのは、付き添いの先生が妻の妊娠中に通っていた病院の院長先生が独立される前に、一緒に働いていた方だったこと。
里帰り出産だったにもかかわらず、まさかの“縁”に驚かされました。
出産で感じた「縁」と「感謝」
今回、学生さんが実際にわが子を取り上げてくれました。実習の時間が限られている中で「最初から最後まで一人の妊婦さんに付き添ったのは妻が初めて」だったそうです。
出産翌日、先生と学生さんが病室に挨拶に来られ、妻が「お二人にサポートしていただいて本当に安心して出産できました」と感謝を伝えると、お二人とも涙をこぼされたそうです。学生さんから「初めて取り上げさせていただいた方が私の妻で本当に良かった」と感謝の言葉をいただき、妻も泣いてしまったそうです。
こうした出会いも含めて「出産は縁でつながる特別な瞬間」だと強く感じました。
陣痛から出産まで:1人目と2人目の体感時間の違い
1人目のときは陣痛開始から出産までがとにかく長く感じられ、サポートする自分も疲弊しきっていました。
しかし2人目のときは違いました。
夜中1時に陣痛が10分間隔となり、実際に生まれたのはお昼12時半。約11時間半という時間でしたが、学生さんや先生、助産師さんの冷静で温かいサポートのおかげで**「あっという間だった」**と感じられたのです。
結果、出産の瞬間は感動があふれ、自然と涙が出ました。
「出産というイベントを超えるものはこの世にない」と改めて思った瞬間でした。
パパが学んだ「立ち会い出産の心構え」
主役はあくまでママ
パパは黒子としてサポートに徹する。声掛けや手を握るといった行為が大きな安心感になります。
動揺しないこと
血や痛みに弱くても、不安そうな顔は見せない。パパが動揺するとママは不安になります。
感謝を必ず言葉にする
出産直後の「ありがとう」「よく頑張ったね」は、一生残る言葉です。
出産に必要なパパの準備リスト
- スマホ充電器、モバイルバッテリー
- 長めの充電ケーブル(3m以上ある安心)
→ ハンディファンやスマホを充電しながら使える - 充電式ハンディファン(※出産でいきむので妻が汗だくになる)
- 飲み物や軽食(長丁場に備える)
- 小銭(自販機や駐車場用)
- 書類(出生届・健康保険・児童手当関連)
- 新生児用チャイルドシート(車移動なら必須 チャイルドシート完全ガイド いつまで必要?取り付け方は? | チャイルドシートはなぜ必要なの? | JAF)
妻から聞いた「パパがいて助かったこと/もうちょっとなこと」
妻から出産後に聞いた本音です。
いてよかったこと
- 不安なときに手を握ってもらえたこと
- 医師や助産師に自分の希望を代わりに伝えてくれたこと
- 陣痛中に水分や冷却をサポートしてくれたこと
もうちょっとなこと
- ハンディファンのスイッチを入れた瞬間、充電不足で電源が落ちて、うちわで仰ぎ出した時。(その後、付き添いの先生が充電器はないの?という冷静な判断によりコンセントに直接つなげてハンディファンを使うことができました。)
- 出産時、いきんだりしている時に妻の髪の毛がくくられていなくて乱れていたので、付き添いの先生にくくってあげてと言われたが、うまくくくれず、妻に「もういいよ」と言われた時
→ パパは「何かをしなきゃ」と思うより、そばにいる安心感を与える存在であることが重要だと学びました。それから、繰り返しになりますが、ハンディファンの充電と充電ケーブルの長さ、髪のくくり方はマスターしておきましょう。
立ち会い出産の意義とデータ
厚生労働省の調査によると、日本の立ち会い出産の割合は年々増えており、妻の安心感や産後うつの予防にもつながると言われています。
立ち会いには賛否両論ありますが、夫婦で納得した形でサポートすることが最も大切です。
まとめ:出産は夫婦と周囲の人の“共同作業”
出産はママが命をかける瞬間。けれど、パパの立ち会いや周囲のサポートがあることで、妻の安心と出産体験は大きく変わります。
1人目の孤独なサポートと、2人目の手厚い支え。両方を経験したからこそ、私は強く実感しました。
出産は「夫婦だけのもの」ではなく、「助産師・医師・学生・家族、すべての人とつながる共同作業」です。
そして、何度経験しても 出産は人生で最も感動的なイベント。
これから立ち会うパパはぜひ、黒子として妻を支える心構えと、ちょっとした準備を整えてください。
その一歩が、家族の一生の思い出につながります。
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