子どもの“ふざけ行動”がやめられない理由と、育児パパが見つけたしつけの突破口

【はじめに】

「何度注意しても、子どもがふざけてばかり…」
そんな悩みを抱える親御さんも多いのではないでしょうか。

私自身、食事中に子どもと過ごす中で、「足をテーブルに乗せる」というクセに何度も悩まされました。
しかし、実際に子どもと向き合いながら試行錯誤を続ける中で、“ふざけ”の裏にある心理や、効果的なしつけのアプローチが少しずつ見えてきたのです。

本記事では、実体験をもとに「やめさせようとしてもうまくいかない行動」の理由と、今日から実践できる対応法を、心理学的な視点も交えてご紹介します。


【なぜ“いけないこと”を繰り返すのか?】

■ 幼児は「わかっていても、やめられない」

幼児期(2〜4歳)の脳は、衝動を抑制する前頭前野がまだ十分に発達していません。
たとえ「やってはいけない」と理解していても、衝動をコントロールする力が未熟なのです。

出典:Diamond, A. (2002). Normal development of prefrontal cortex from birth to young adulthood. Principles of Frontal Lobe Function.

■ 親の反応が“報酬”になってしまうことも

さらに、「怒られる=注目される」と感じる子どもは、親の反応を面白がって、あえて同じ行動を繰り返すこともあります。
つまり、**“注意がご褒美になってしまう”**という、親にとっては悩ましい悪循環が起こるのです。


【我が家で試した3つのしつけ対応】

1. ユーモアで声かけ → 結果:逆効果に

最初は「足を上げたら注射チクチクだぞ〜」と冗談まじりに注意。
笑って応じてくれたものの、逆にそれが“遊び”として定着し、状況は改善せず。

→ 楽しいと感じた行動は繰り返されるという心理学の原理を、身をもって体験しました。


2. ストーリーで共感 → 成功の糸口に

次に試したのが、共感を引き出す声かけです。

「パパも小さいころ、おじいちゃんに“肘をつかない!”って怒られてたんだ」
と伝えたうえで、

「足を乗せたら誰に怒られると思う?」と聞くと、
「じいじー!(笑)」と明るく返してくれるようになりました。

→ 遊び心と共感を組み合わせることで、伝わりやすさが格段に上がったのです。

しかし、この方法も遊びとしてとらえられてしまい逆に面白がってテーブルに足を上げるようになってしまいました。


3. 行動の“前”にルール確認 → 効果抜群

最も効果があったのは、「事前の声かけ+できた時の即フィードバック」でした。

  • 食事前:「足はどこに置くんだったっけ?」→「ゆか!」
  • 食事中:「今ちゃんと座れてたね、かっこよかったよ」

このように、始まる前に確認し、できた瞬間を逃さず褒めることで、行動が安定してきました。


【心理学的にも理にかなったアプローチ】

■ 予告型指示は実行率アップにつながる

心理学の研究では、子どもに“これからどうすべきか”を事前に伝える「予告型指示」が、行動の成功率を高めるとされています。

出典:Kaiser, B., & Rasminsky, J. S. (2012). Challenging Behavior in Young Children. Pearson.


■ “できた瞬間”に褒めることで習慣化

子どもが望ましい行動をした直後に褒める「正の強化(ポジティブ・リインフォースメント)」は、行動の習慣化に非常に有効です。

出典:Skinner, B.F. (1953). Science and Human Behavior.


■ 「ふざけ」は成長の一部

発達心理学者エリクソンによれば、3〜6歳の子どもは「自主性 vs 恥・疑念」の段階にあり、ふざけや自己主張は健全な発達の表れです。

出典:Erikson, E. H. (1950). Childhood and Society.

“ふざけてばかりで困る”のではなく、**“自立しようとしている証拠”**と捉える視点が、親自身の心を楽にしてくれます。


【まとめ】しつけは「言い聞かせ」ではなく「共に育つ」プロセス

子どもの問題行動に直面すると、つい感情的に叱りたくなるものです。
しかし、成長段階や心理を理解し、次の3つを意識することで、しつけはより建設的になります。

  • 感情ではなく、行動の背景を見つめる
  • 始まる前に“予告”をする
  • できた瞬間を逃さず“褒める”

育児という貴重な時間を通して私が実感したのは、
**「しつけとは、教え込むのではなく、共に育つ営みである」**ということでした。


【おわりに】

子育てには正解がありません。
子どもの“困った行動”に直面したとき、親としてどう関わるかが試されます。

今回ご紹介した対応は一例ですが、家庭でのちょっとした工夫や声かけが、子どもの成長を支える大きな力になります。そういった小さな積み重ねが、確実に子どもの成長につながっていくと信じています。

本記事が、日々奮闘されているパパママにとって、少しでもヒントや励ましになれば幸いです。

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