
里帰り出産を検討する上で、最も重要な判断ポイントの一つが「出産する病院の選択」です。私は長男の出産時には産科専門病院、今回の第二子では総合病院を選び、実際に体験してはじめて見えてきた違いやメリット・デメリットが数多くありました。本記事では、そのリアルな経験をもとに、両者の違いや選び方のポイントを徹底解説していきます。パパ目線も含めた「家族全体にとっての快適な出産環境」を考える材料としてご活用ください。
1. 出産場所の選び方|何を基準に決める?
里帰り出産を選ぶ時点で、出産場所は「実家から通える範囲」に絞られます。しかしその中にも、総合病院、産科専門病院、クリニックなどさまざまな選択肢があります。病院選びで特に意識したいポイントは以下の通りです。
- 実家からのアクセス(車・徒歩・タクシーなど)
- 陣痛タクシーの有無
- 医療体制(緊急時対応、NICUの有無)
- 面会や宿泊のルール
- 上の子の託児や同伴可否
- 衛生面と感染症対策
2. 総合病院の特徴と実体験
医療体制と安心感はピカイチ
今回の出産では、NICU(新生児集中治療室)を併設した総合病院を選びました。妊娠後期の管理入院や、突然の帝王切開対応、胎児の異常への即時処置など、医療的な安全性という面では非常に心強い選択肢です。
面会・宿泊に関する制限
一方で、感染症対策や病院の方針により、家族との関わりは最小限に抑えられます。具体的には以下のような制限がありました。
- 面会時間:14:30〜18:00の間で予約制、1回30分まで
- パパや上の子は原則面会不可、例外的に窓越し対応
- 面会希望者は新生児室に赤ちゃんを預けている間のみ可能
これにより、「生まれたての赤ちゃんと家族全員で写真を撮る」「上の子と赤ちゃんの初対面」といったイベントは制限されることになります。
3. 産科専門病院の特徴と実体験
長男の出産時には、アットホームな産科専門病院を利用しました。妊婦に寄り添うケアが徹底されており、「思い出に残る出産」を重視したい方には非常におすすめです。
家族で過ごせるファミリールーム
この病院には、ファミリールームという特別室があり、以下の設備が整っていました。
- ダブルベッド・簡易ソファベッド
- 冷蔵庫
- テレビ・空気清浄機完備
パパや上の子が宿泊することも可能で、産後の入院期間中に家族一緒に過ごせる安心感があります。
面会・付き添いの自由度
- パパは24時間面会可能(夜間の宿泊もOK)
- 上の子も自由に出入りでき、赤ちゃんとのふれあいが可能
- 入院中の記録を写真や動画で残してくれるオプションも
4. 託児サービスと費用について
産科専門病院では、上の子を預けられる託児サービスが併設されていることがあります。今回見学した施設では以下の料金体系でした。
区分 | 金額 |
---|---|
1日託児 | 3,500円 |
半日託児(9:00〜12:30) | 2,000円 |
延長料金(30分) | 200円(最大1時間まで) |
昼食 | 600円 |
おやつ | 50円 |
保育士が常駐しており、感染症対策も万全。健診の付き添いや入院中のサポートに大変助かりました。
5. 新生児との関わり方|母子同室と預かり体制
新生児との関わり方は、出産後の母子の負担軽減や育児ストレスの緩和に直結する重要ポイントです。産院によって「母子同室」の義務化や「新生児預かり体制」の柔軟性には大きな差があります。
私たちが今回選んだ総合病院では、基本的に母子同室が原則とされています。これは赤ちゃんとママが24時間一緒に過ごすことで、授乳リズムを整えやすく、母乳育児の促進にもつながります。一方で、新生児の一時預かりサービスも用意されていますが、利用できる条件が限定的です。
特に、家族がファミリーステイ(宿泊)する場合は、病院側から「完全母子同室」が求められ、一時預かりの利用が制限されます。つまり、パパや上の子が同室で泊まる際は、赤ちゃんを預けてママが休むことが難しくなるため、家族の休息や負担軽減の面では注意が必要です。
このように総合病院では医療安全面や感染症対策の観点から母子同室の徹底が重視されているため、家族みんなでゆったり過ごしたい場合は専門病院のファミリールーム利用や託児サービスのある施設も検討すると良いでしょう。
6. 出産費用の違い
項目 | 総合病院 | 産科専門病院 |
入院・出産費用 | 約45〜55万円 | 約55〜70万円 |
ファミリールーム | +5,000〜20,000円/日 | プランに含まれる場合も |
託児費用 | 基本なし | 有料で併設(上記参照) |
オプション費用(写真・食事) | 別料金 | プランに含まれることも |
単純な金額だけで判断せず、「何に対して支払っているか」を理解することが重要です。
7. 結論|病院選びは家族の価値観がカギ
「命を守る」という医療的な観点でいえば、総合病院は非常に安心です。ただし、家族とのつながりや思い出づくりを重視する場合は、産科専門病院が有力な選択肢となります。
どちらが正解というわけではありません。大切なのは、自分たち家族にとって最適な体験とは何かを考えることです。
病院選びのチェックポイント
- 医療体制(緊急時・NICUの有無)
- 家族の関与度(面会・宿泊・同伴)
- 上の子へのサポート体制
- 出産後の過ごし方(母子同室・記録など)
- 衛生・感染症対策
- 金額とサービス内容のバランス
あなたの家族にとって最良の出産体験が叶うよう、しっかりと下調べをし、自分たちの理想に合った病院を選んでください。
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